2010年06月24日

静岡の食事

郷土料理というのは、
その土地の人々が、日々の生活の中から培われたもの
昔は、物資や流通が乏しく
しかたなく、その土地で採れたもので工夫して料理していたんですねぇ

そんな民俗学的なところにも興味があり
こんな本を借りてみました
静岡の食事

長年、店をやってて
食にまつわる話を、沢山してきました。
そのなかで、静岡県内でも
色々、食習慣の違いに気がつきます

この本のなかで、
「東西の食文化の違いは、大井川が分岐点」と書かれていて
ハッと思いました...
確かに、現在では曖昧ですが
その片鱗は伺えます。。

この本は、
昭和初期に富士山山麓、雲見、岡部、袋井、水窪の主婦に聞き取り調査したものを
再編成したもので
四季の行事と共に、家庭の料理を紹介しています

昭和初期といえば
僕の親の幼少期にあたり、
まさに、そんな食生活をしてきた両親
子供の頃には、これに近い料理や風習がありました

巻末に 静岡の食文化をまとめたものがあり
それを若干、抜粋します
・お雑煮   形は切り餅で角型
        焼いて、すまし仕立てにする処は、東部のごく一部で
        ほとんどが、そのまま煮ます
        具材は、里芋を使う所が多く
        青物は、東が小松菜で、ほとんどが京菜
・おむすび  おむすびという所が大半だけど
        大井川流域、安倍川あたりに おにぎりという所あり
        形は、丸くにぎるところが多いが
        遠州、伊豆には三角ににぎる処あり
・納豆    富士山山麓以外では、食べられてなかったようで
        その境は、箱根と思われる
などなど、すべて明治~昭和初期に調査したもののようです

これ以外にも
遠州は、たまり醤油、赤味噌の文化圏だったり
まさに、大井川あたりで東西の食文化が違うことが分かります 

以前から不思議に思ってた事のひとつが「とろろ汁」です。
静岡では、出汁でのばす事が多いけど
実家(島田)では、鯖の味噌汁です。
この鯖の味噌汁圏は
僕の知ってる限り、島田、大井川町、川根、掛川に見られます。
これにも、なにかいきさつがあるのでしょうか?

今では
気候風土、伝統も あまり関係なく農作物が作られ
あまりに商業的に「地産地消」と言われてますが
昔は、そんな事はあたりまえで
裕福とは言えない環境のなかで、人々が工夫し努力して
できた郷土料理と言われるもの

そんな所にも、たまには目を向けると
本当の意味での「地産地消」が見えてくるのではないでしょうか?



同じカテゴリー(コラム)の記事画像
冷凍レモンの効用。
街の記憶
夏の香り
鮎の塩焼き
麹漬け
日本酒の楽しみ
同じカテゴリー(コラム)の記事
 冷凍レモンの効用。 (2011-06-20 20:09)
 街の記憶 (2010-07-07 00:12)
 夏の香り (2010-06-23 23:09)
 鮎の塩焼き (2010-06-22 20:47)
 麹漬け (2010-03-10 13:07)
 日本酒の楽しみ (2010-03-06 14:42)

Posted by chibi at 21:43│Comments(0)コラム
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
静岡の食事
    コメント(0)